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2017年3月

2017年3月29日 (水)

桜の咲く季節に

 ある方のご紹介で、学習院の生涯学習センターで講座を持たせていただいて、はや7年。当初は、漢詩漢文のお話だけをさせていただいていたのですが、途中から、漢字のお話もさせていただくことになり、つたないお話ながら多くの方にお聞きいただく機会を与えていただきました。

 そんなお世話になりっぱなしの学習院生涯学習センターが、この4月から、「学習院さくらアカデミー」として再スタートすることになりました。私も引き続き、漢字と漢文の講座を担当させていだきます。

 まずは、4月8日(土)より、「おとなのための漢字学習」がスタートです。漢字の成り立ちと古代文字から初めて、新字体と旧字体だとか、訓読みについてだとか、当て字や名前の漢字、四字熟語など、盛りだくさんの全6回。ただいま、鋭意、準備中です。

 原則として隔週の土曜日、午後1時から90分の講座です。場所は、JR山手線、目白駅前の学習院大学構内。ご興味のある方は、下記をご参照ください。

http://open.gakushuin.ac.jp/course/detail/2017/A/020/

 一人でも多くの方のご参加を、お待ちしております。

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2017年3月17日 (金)

まずは比べるところから

 先日、14日の火曜日は、出版ネッツさんの「寄り合い」にお呼ばれして、漢字の話をしてまいりました。いろいろな話題を取り上げて、特にまとまりもないお話だったのですが、聴いてくださるみなさんの反応がとてもよくて、たのしくしゃべらせていただきました。ありがとうございました。

 その話題の1つが、「校正」と「校閲」の違い。フリーの校正者の方が多いということもあって、みなさん、いろいろなご意見をお持ちのようでした。

 ネットで「校正」と「校閲」の違いを検索すると、こんな答えが見つかります。いわく、「校正」は、原稿とゲラ、初校ゲラと再校ゲラを見比べて間違いを正すこと。「校閲」は、原稿やゲラ(だけ)を見て間違いを正すこと……。

 ただ、私的には、この説明には納得がいきません。というのは、「校」という漢字に「二つのものを比べる」という意味があるからです。

 「閲」は意味のつかまえにくい漢字ですが、「閲覧」「閲兵」「閲歴」「検閲」といった熟語から総合すると、「一つ一つ」「実物を」「きちんと」見るという意味を持つと思われます。ここから、「校閲」の方が「校正」よりも厳密・厳格なイメージのことばとなり、原稿やゲラそのものに集中するというような意味合いを帯びるようになったのかもしれません。

 とはいえ、どちらも「校」という漢字を含む以上、「二つのものを比べる」ことが基本であるのは、動かせないところでしょう。書き手の表現したいことと、実際の文章とを比較して、よりよいものを目指すのが「校正」「校閲」の原点だろうと、私は考えています。

 それはともかく、漢字で書かれたことばの意味を考える場合には、まずはそれぞれの漢字の意味をきちんと押さえることが必要。そのために漢和辞典を活用していただければ、うれしい限りなのです。

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2017年3月13日 (月)

線引きはむずかしい……

 先週の土曜日(11日)は、横濱漢字の会の200回記念の定例会にお呼ばれしてきました。毎月1回、漢字好きが漢字の話をするためだけに集まるというこの会が、200という回数を重ねてきたというのは、会員のみなさまの熱意のたまもの。すばらしいです。

 記念なので何かお話を、というわけで、四字熟語に関するお話をしてまいりました。

 私がひそかに収集している四字熟語の用例集では、「一生懸命」の用例が圧倒的に数が多く、2番目に多いのは「不可思議」であることなどをご紹介。結局のところ、「四字熟語」と「単に漢字4文字で書いてあるだけのことば」との線引きはなかなかにむずかしい、というようなことをお話したのでした。

 その際に出たご質問で、ちょっとおもしろかったのが、「斯斯然然」は四字熟語なのでしょうか? というもの。こう書いて「かくかくしかじか」と読む、というわけなのですが、まあ、このことばは、現在はふつうはかな書きするでしょうし、漢字で書くとしても「斯く斯く然然」と送りがなを付けるでしょうよねえ……。

 とはいえ、「大盤振舞」だって、辞書的には「大盤振る舞い」が正式ですし、「無手勝流」だって「無手勝つ流」でないといけないのでしょう。それでも、どちらも市販の四字熟語辞典でよく見かけます。

 「斯斯然然」を載せている四字熟語辞典は、私の知る限りでは出版されていません。しかし、「可惜身命(あたらしんみょう)」を収録している四字熟語辞典もたくさんありますから、「斯斯然然」を載せるものが存在していても、不思議ではないでしょう。

 まったく、何が四字熟語で何が四字熟語でないかを決めるのはむずかしい、と再確認した次第でありました。

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2017年3月10日 (金)

新刊、本日発売です。

Photo  漢字はたくさんあります。

 小学校で習う漢字だけでも、1000文字以上。常用漢字は2100文字あまり。ちょっとした漢和辞典でも5000〜6000の漢字を収めていて、本格的な漢和辞典になれば、その数は1万を軽く超えます。

 そんなわけですので、漢字を何か1文字とりあげて、それに関するコラムを書くなんて、いくらでもネタがありそうなものです。

 ところが、どっこい。そうは問屋が卸しません。

 あまた存在する漢字の中には、ネタをいっこうに提供してくれない無愛想なヤツも、たくさんいます。そうかと思えば、どうやっても短い文章の中には収まりきらないくらいおしゃべりなヤツだって、掃いて捨てるほどいるのです!

 規定の文字数にうまい具合に収まってくれるような人のいい漢字なんて、実は少数派なのかもしれません。

 それでも、漢字のコラムのご注文をいただけば、お引き受けせざるをえません。なんてったって、それをメシの種にしているのですからね。

 そんなこんなで、ここ十年くらいのライター暮らしの中で、書きためてきた漢字コラムは、このブログも含めて400本以上。その中からよりすぐった約80本に、同じくらいの書き下ろしを合わせて、このたび、1冊の本にいたしました。

 その名も、『漢和辞典的に申しますと。』。文春文庫として、本日、発売です。

 本体価格は770円。みなさま、ぜひとも書店でチェックしてみてください。

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