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2016年9月 6日 (火)

ニュースになっていいのかなあ……

 昨日、ニュースを見ておりましたら、東京のデパートで、「おせち料理の内覧会」が行われたとの由。残暑厳しい折柄、おせち料理とは気が早いなあ、とびっくりすると同時に、「おせち料理」の「内覧会」という表現が、ちょっと引っ掛かったのでした。

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 「内覧会」と聞いてすぐに思い出したのは、近所にお医者さんができるときなどに、開業に先立って中を見学できる「内覧会」。この場合の「内」とは、医院の建物の「内部」ということなのだろうと、勝手に理解をしておりました。

 そこで、「おせち料理の内覧会」と聞きまして、おせちの内側を見せてくれるというわけでもあるまい、なんかヘンだなあ、と感じたわけです。

 「内覧」とは、漢和辞典にはあまり出て来ないことば。国語辞典には、「内々に見る」こと、つまり「非公式に見る」ことだと書いてあります。もともとは、天皇に見せる公式の文書を、摂政や関白といったえらい人が非公式に見ることを指していた、ともあります。

 だとすると、お医者さんの「内覧会」だとかおせち料理の「内覧会」だとかいうのは、公式に開業する前、公式に発売する前に「内々に、非公式に見せる」ということなのでしょう。

 ただ、「内覧会」のチラシを配ったり、「内覧会」がニュースになったりするのは、「非公式」とはかけ離れているよなあ、とも……。

 やはり、お医者さんの「内覧会」は「内部を見せる会」で、これは「内覧」の比較的新しい用法。おせち料理の「内覧会」は、その影響を受けて生まれた、本来の「非公式」からはやや外れた用法だと考えるしかないのでしょう。

 それにしても、昔は摂政や関白に関連して使っていたことばが、我々庶民でも使えるようになるとは、いやはや、ありがたい時代に生まれたものですね!

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コメント

先生、こんにちは。
摂政・関白と出たので平安時代は?と検索したら
上田万年先生「P音考」ではないけれどあまりにも現代と違う発音で吃驚。

「パルーツンギーテーナトゥキータルラチーチロタフェノカラマポチータリーアマノカングヤマ」

「春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天の香具山」
らしいです。

(※参考文献「日本語ちょっといい話」城生佰太郎)ということです。

漢字に関係なくてすみません。
まるでアジアのどこか他の国の言葉みたいで驚きました。

モフ

投稿: モフモフ | 2016年9月 6日 (火) 15時46分

モフモフさん、おもしろいですね!
摂政・関白も旧かなだとセツシヤウ・クワンパクですが、これも、現代人が読むのとは違う発音をしたのでしょうね。

投稿: 円満字 二郎 | 2016年9月 7日 (水) 08時33分

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