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2016年9月

2016年9月15日 (木)

仕事関連のお知らせ2つ

 今回は、無粋ながら、仕事関連のお知らせです。

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 まず、1つめ。本日の『朝日新聞』夕刊に、私のインタビュー記事が掲載されます(予定)。「一語一会」という欄で、身近な人が発した、自分の人生に影響を与えたことばについて語るという趣旨なのだそうです。

 私がお話をしたのは、「夜明けから日が沈むまで、縫いまくった」ということば。兵庫県西宮市で外科医をしていた、変わり者の父が発したことばです。

 この欄の原稿は事前には見せていただけないということで、どんなふうにまとめていただいたのか、本人も興味津々。ご興味のある方は、ぜひ、本日の朝日の夕刊をご覧ください。

 ただし、掲載は全国ではなく、東京・大阪・名古屋の各本社の紙面だけだとのこと。それ以外の地域の方でも、ネットではご覧になれるようです。検索してみてください。

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 もう1つのお仕事のお知らせは、いつもお世話になっている、学習院生涯学習センターの講座。昨日より、「おとなのための漢字学習」が始まりましたが、10月8日土曜日からは、「四字熟語でたのしむ漢文入門」を開始いたします。

 四字熟語のもとになった漢文を読みながら、漢文訓読の基礎を学ぼうというこの講座、今回は、紀元前3世紀末、秦王朝の天下統一とその滅亡、そして漢王朝の成立へと至る時代の歴史物語から生まれた四字熟語を取り上げます。

 隔週土曜日、午後1時から90分間、全4回です。詳しくは、学習院生涯学習センターの下記ページをご参照ください。
 http://open.gakushuin.ac.jp/course/detail/2016/B/030/

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2016年9月12日 (月)

プールを渡るアメンボ

 昨日は、漢字教育士2期生のみなさんの勉強会「知新会」というところにお呼ばれして、二字熟語に関するお話をしてまいりました。その際に取り上げたのが、次のような問題。

 「アメンボが、プールの水面をすべるように進んで行く」の「水面」は何と読むか?

 もちろん、「スイメン」と音読みしても、「みなも」と訓読みしても、間違いにはなりません。ただ、音読みするのと訓読みするのとではイメージが異なります。そのことを話題にしたかったのでした。

 勉強会の場では、スイメン派が1に対して、みなも派が2という割合で、みなも派の勝利と相成りました。ところが、これに黙っていられなかったのが、スイメン派のみなさん。懇親会の席でも、「プールという現代的なものには、音読みの方が合う!」と怪気炎を上げてやまなかったのでした。

 たしかに、「プールの水面」ではなくて、たとえば「湖の水面」ならば、「みなも」と読みたくなりますよねえ……。でも、「モーターボートが、湖の水面をすべるように進んで行く」になると、どうなるか? なかなか奥の深い問題です。

 こういう問題には、「正解」はありません。それを承知で、ああでもない、こうでもないと頭を使ってみるのが、おもしろいところ。訓読みの響きのやわらかさだとか、音読みと近代的な事物との相性だとか、いろいろなことが再確認できたのでした。

 それにしても、こういうお話を酒の肴にして盛り上がれるというのは、すごいですね。おそるべし、漢字教育士!

 知新会のみなさん、たのしい時間をありがとうございました。

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2016年9月 6日 (火)

ニュースになっていいのかなあ……

 昨日、ニュースを見ておりましたら、東京のデパートで、「おせち料理の内覧会」が行われたとの由。残暑厳しい折柄、おせち料理とは気が早いなあ、とびっくりすると同時に、「おせち料理」の「内覧会」という表現が、ちょっと引っ掛かったのでした。

Photo

 「内覧会」と聞いてすぐに思い出したのは、近所にお医者さんができるときなどに、開業に先立って中を見学できる「内覧会」。この場合の「内」とは、医院の建物の「内部」ということなのだろうと、勝手に理解をしておりました。

 そこで、「おせち料理の内覧会」と聞きまして、おせちの内側を見せてくれるというわけでもあるまい、なんかヘンだなあ、と感じたわけです。

 「内覧」とは、漢和辞典にはあまり出て来ないことば。国語辞典には、「内々に見る」こと、つまり「非公式に見る」ことだと書いてあります。もともとは、天皇に見せる公式の文書を、摂政や関白といったえらい人が非公式に見ることを指していた、ともあります。

 だとすると、お医者さんの「内覧会」だとかおせち料理の「内覧会」だとかいうのは、公式に開業する前、公式に発売する前に「内々に、非公式に見せる」ということなのでしょう。

 ただ、「内覧会」のチラシを配ったり、「内覧会」がニュースになったりするのは、「非公式」とはかけ離れているよなあ、とも……。

 やはり、お医者さんの「内覧会」は「内部を見せる会」で、これは「内覧」の比較的新しい用法。おせち料理の「内覧会」は、その影響を受けて生まれた、本来の「非公式」からはやや外れた用法だと考えるしかないのでしょう。

 それにしても、昔は摂政や関白に関連して使っていたことばが、我々庶民でも使えるようになるとは、いやはや、ありがたい時代に生まれたものですね!

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