時を跳び越えたその先は?
筒井康隆さんの名作、『時をかける少女』。ある夕方、理科実験室で怪しい人影が消えるのを目撃した和子は、翌朝の登校の途中、不思議な経験をします。
「信号を無視した大型トラックが、和子たちのほうへ、交叉点のほうから驀進してくるのだ」
避けようとして友だちとぶつかり、転んでしまう二人。絶体絶命! というところで、彼女は初めてのタイム・リープを経験することになります。
この作品は、もともとは中学3年生に向けて連載が始まったもの。そのためでしょう、文章でもむずかしい漢字はほとんど使われていません。それだけに、「驀進」という熟語が、とても印象に残ります。
前日に戻った和子は、一度習った授業を受け、一度やった宿題をし、一度過ごした夜を同じように過ごします。そうして、いよいよ翌朝の登校の途中。
「交叉点のほうから、大型トラックが暴走してきた」
しかし、今回は、和子の注意深い行動により、二人は事故に巻き込まれないで済んだのでした。
前回、「驀進」してきた大型トラックは、今回は「暴走」。和子は同じ時間をくり返して生きているようで、実は前回の今朝と今回の今朝は、完全に同じ時間ではない。そのことが、この二つのことばに現れているように感じます。
だとすれば、前回の時間は、どこへ行ってしまったのでしょう? 和子が大型トラックにひかれてしまった時間の流れも、存在しているのでしょうか。
時間もののSFは、考えれば考えるほど、わけがわからなくなりますね!
ところで、「毎日ことば90秒」の動画、本日、最終回が配信となります。今回、取り上げるのは、以前、このブログでも扱った「〆」や「〼」の問題。下記ページよりご覧になれますので、どうぞ。
http://mainichi.jp/koetsu/
また、学習院生涯学習センターで、9月14日の(水)から「おとなのための漢字学習」という全6回の講座を開催いたします。詳細は、下記ページに。ご興味のある方は、ぜひともご参加ください。
http://open.gakushuin.ac.jp/course/detail/2016/B/029/
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