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2016年4月

2016年4月 6日 (水)

カメラ目線が微妙にズレる!

 渋谷のNHKに行ってきました。朝一番にやっている「視点・論点」という番組で、漢字の使い分けについて10分足らず、お話をさせていただいたのです。

 あらかじめ用意しておいた原稿を読むだけという、実に落ち着いた番組。静かな部屋で一人だけでしゃべるというのは、なんとなくシュールな気分になるのですが、ディレクターさんがときどきうなずいたりしてくださるので、それだけを心の支えに、なんとか無事、収録を終えることができました。

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 ただ、カメラの前に座っているという緊張感は、あまり感じませんでした。なぜって、目の前にある画面に原稿が映し出されていて、テレビカメラはその向こう側にあったからです。原稿を見ながら読んでいけば、自然とカメラ目線になるというしかけなのでした。

 ニュースを読むアナウンサーのみなさんも、同じしかけでお仕事をなさっているのだとか。ただ、出来上がった映像を見てみると、なぜだか視線が定まらないのが、素人の悲しさ。カメラの端っこを見ているような、微妙にズレた感じになるのですよね……。

 この番組、「編集は一切しない」という方針だそうで、原稿を読み間違えたら、最初から撮り直し。何回目かのトライでおしまいまで行ったのですが、最後の最後に、ちょっと舌がもつれたところが! 「少々の間違いなら、言い直して続けてください」と言われていたので、くじけずそのまま先に進んだのでした。まあ、それもご愛敬ということで。

 ちなみに、写真は、収録の時にいただいた水のペットボトル。わざわざラベルをはがしてあるところが、NHKさんらしいなあ、と。万が一、映り込んでも企業名が出ないようにという配慮なのでしょうか。

 放送は、今週金曜日、4月8日の午前4時20分〜30分。同じ日の午後1時50分〜2時に、Eテレで再放送があります。うんと早朝と、昼下がり。どちらも眠い時間帯ですが、目覚めていらっしゃる方は、どうぞ、ご覧下さい。

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2016年4月 3日 (日)

カステラは自由の味

 とある知り合いから、福砂屋さんのカステラを送っていただきました。口に入れると、ふんわりした触感の最後にザラメの歯ごたえがカリッと残って、週末の午後には最適です。

 大満足しながら、パッケージに入っていた「福砂屋 カステラ縁起」という紙を眺めておりましたら、目に入ってきたのが、写真のような、昔の本の一部分。説明文によると、1885(明治18)年に刊行された、『商工技芸崎陽之魁』という、長崎の名店を紹介した本だそうです。

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 これは、漢字的には、ツッコミどころ満載ですね!

 最初の「蒸菓子」の「蒸」は、「丞」の部分が、左の「フ」が「口」になっていて、なおかつ下の横棒がない形。「菓」は、「果」の部分が「杲」に。次の行の「二」の下に「亅」を書いた漢字は、「干菓子」の「干」でありましょう。みんな、現在、私たちが使っている漢字とは、だいぶ異なる印象を与えます。

 住所の「長嵜舩大工町」の「嵜」と「舩」は、それぞれ「崎」と「船」の異体字。現在でも、お名前などで見かけることがありますね。最後の行、「福砂屋大舗」の「舗」は、「舎」が崩されて、ほとんど「斗」のような形に。ついでに言えば、「甫」の右上の点がありません。

 さらには、「福」の「礻」が旧字体の「示」ではないのにも、要注目です。

 そのほか、「製造」の「造」も、隷書風のやや特殊な形。「処」の旧字体「處」は、「虍」の左の「丿」がありません。

 明治の中ごろには、印刷された本であっても、漢字の形はかくまで自由だったのですね。私たちの時代のように、ある漢字の形がある1つに決まっているというのは、漢字の長い歴史の中では、むしろ特殊な状態のでしょう。

 南蛮風の甘味をたのしみながら、同時に、漢字の歴史にも思いを馳せたという次第。なかなか有意義な、春の午後でありました。

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