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2014年7月25日 (金)

思い切って書いてみました!

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 いつか作ってみたいけれど、はたして売りものになるやらどうやら……。

 書籍編集者ならば、そんな本の企画を1つや2つ、袖の下に隠し持っているのではないでしょうか。ぼくにとっては、『列子』に関する本がそれでした。

 『列子』とは、漢文の古典の1つ。「杞憂」とか「朝三暮四」といった故事成語の出典だといえば、ちょっとは聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

 この書物、漢文だからおカタイ内容かと思いきや、そんなことはありません。たとえば、心臓入れ換えの大手術をしたら、人格まで入れ替わってしまったという話。死なない方法を発見したと主張していたのに死んでしまった、あやしい学者の話。さらには、歌って踊れるロボットがウィンクをする話などなど、一風変わったおもしろい物語がたくさん詰まっているのです。

 そこで、『列子』をテーマに本ができないか、と考えるわけなのですが、いかんせん、この書物はマイナーすぎます。ただでさえ、「今どき漢文?」と首をかしげられてしまうこのご時世。『論語』や『老子』『史記』といった有名古典であれば、まだそれなりに読者もつきますが、『列子』と聞いて手に取ってくれる読者が、どれくらいいるものでしょうか。

 というわけで、著者としては「ぜひとも書いてみたい!」と思いつつ、編集者としては「商品化に難あり!」と自制して、これまで、手を付けずにいたのでした。

 それを、なんと、あの新潮社さんが選書の1冊として出して下さる、というのです。ありがたや!

 その結果、できあがったのが、新刊の拙著『ひねくれ古典『列子』を読む』(新潮選書)です。

 みなさん、どうか、なじみのない古典がテーマだからといって、敬遠したりなさらないで! 大昔の中国の人々が書き残してくれた、想像力あふれる摩訶不思議な世界を、楽しんでいただければと思います。

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コメント

暑い日が続きますね。
さっそく読ませていただきます。
図書館にもリクエストしてきましたよ。
では、ご自愛のほどを。

投稿: ボクちゃん | 2014年7月30日 (水) 17時37分

ありがとうございます。
今回は「漢文もの」なので、たのしんでいただけるかどうかわかりませんが……。
暑さに負けないよう、がんばりましょう。

投稿: 円満字二郎 | 2014年7月31日 (木) 10時58分

こんばんは。
拝読いたしました。
この、つっぱねた客観的描写がおもしろいですね。「今昔物語」と同じトーンを感じました。「列子」そのものも読んでみます。
近所二箇所の図書館にも今月中には入るとのことです。

投稿: ボクちゃん | 2014年8月10日 (日) 21時25分

ありがとうございます。恐れ入ります。
『列子』のお話も、いわゆる「説話」に分類されることもありますから、『今昔』とは確かに通じるところがありますね。
今回の本は、ほとんど自分のたのしみだけのために書いたので、「おもしろい」と感じていただけて、うれしいです。

投稿: 円満字二郎 | 2014年8月11日 (月) 16時32分

円満字様、両方の図書館に入りましたよ。
「列子」がより多くの人に読まれるとよいですね。

投稿: ボクちゃん | 2014年8月28日 (木) 10時32分

ありがとうございます! ひねくれ者に多くの方々のご理解を賜らんことを、願っております。

投稿: 円満字二郎 | 2014年9月 2日 (火) 10時12分

円満字様
初めてのコメントです。
先日、「めんふくろう(仮面梟)」で『漢和辞典に訊け!』の「さねぶとなつめ」の例と同じ思いをしましたので、調べてみましたらやはりお面のような顔の白いフクロウで、凄く大雑把にいうと南半球に多く棲息しているみたいです。群での画像を見ると、なおさら奇妙な奴でした。
私は熟字訓が大好きですが、その正体が未だに判らないものも多くあるので、
改めて画像を(可能ならば実物を)意識して探していこうと思いました。
現在は『部首ときあかし辞典』を亀の歩みで拝読中で、『ひねくれ古典『列子』を読む』は楽しみにとってあります。
そのほかのこれまでの円満字様の著作も、
これからの円満字様の著作も、
探してきっと読みたいと思います。
猫さんも寒くなってきたから毛皮があっても大変ですね。
では、長くなりましたが、
またいつかお伺いします。

投稿: しろねこ | 2014年12月15日 (月) 07時33分

ありがとうございます。
さねぶとなつめ、なつかしいです。
それにしても、メンフクロウは、どうして「面梟」ではいけないのでしょうね。あえて「仮面」とするところが、熟字訓の魅力なのでしょうか……。
拙著、いろいろとありがとうございます。ちょっとでもお役に立てれば、幸いです。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 円満字二郎 | 2014年12月16日 (火) 07時35分

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