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2013年12月10日 (火)

ある日の夕食の席で

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 とあるレストランで食事をしておりましたら、机の上に置いてある沢の鶴さんの梅酒の広告に、なんとなく目がとまりました。なんでも贅沢な味わいの梅酒のようなのですが、「生酛造り」というのが、気に掛かります。「酛」という漢字、さて、何と読むのでしょうか。

 お酒を造るもとになるものを指すことは、想像がつきます。「元」を右半分に置く漢字は意外と少ないので、おそらく、日本で作られた国字であろうと予想もできます。とすると、読み方は「もと」で、「生酛造り」で「きもとづくり」とでも読むのでしょう。

 家に帰って調べてみると、「酛(もと)」とは、やはり、お酒のもと「酒母(しゅぼ)」を指す漢字。「生酛造り(きもとづくり)」とは、江戸時代には一般的だった、伝統的な酒母造りの方法のことだそうです。近代化の中で廃れてしまっていたのが、近年、見直されているようで、日本酒の世界ではちょっとホットな用語でもあるようです。

 何の説明も抜きに広告に使うくらいですから、通の間では有名なことばなのでしょう。「生酛造り純米酒で漬けたまろやかなコク」と目にするだけで、飲んでみたいと思わせる力があるのだろうと思われます。

 とはいえ、そんな知識がなくっても、「酛」という漢字を見るだけで、酒造り用語であることは予想ができます。「生酛造り」とあれば、なにやら特別な造り方なのだろうとイメージが湧きます。そうやって、読み方もしかとはわからないのに購買欲を刺激するわけですから、漢字というのも、なかなか罪作りな存在ですね。

 お酒をやめて数年になるぼくの欲望も、ピクリと動かされた次第でした。

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