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2013年12月15日 (日)

いろいろ試したんだろうなあ……

 発売されたばかりの『三省堂国語辞典 第7版』が届きました。お付き合いのある編集者さんが、お送ってくださったのです。

 早速、ページを開いてみました。今回は組版システムを変更したと聞いていたのですが、その影響は感じられません。【 】を使わないすっとした印象の紙面は、健在です。

Photo

 ただ、しばらく眺めていてまず気がついたのは、ダッシュが細くなったな、ということ。

 たとえば「すっと」の項目で、用例として「すっと立ち上がる」と記述したい場合、国語辞典では、「すっと」の部分をダッシュにして、「—立ち上がる」とするのが、一般的です。このダッシュが、第6版ではけっこう太めで、実は、ちょっと目立ちすぎるかなあ、と感じていたのでした。

 また、項目内の大区分で使われている四角数字も、この版からは白抜きの網掛けに変更。旧版ではただの四角数字だったので、こちらはちょっと目立つようになりました。

 こういう記号類は(業界用語では「約物(やくもの)」と呼んでいますが)、辞書編集部が意外と気を遣うところです。色刷りにすれば目立つしアクセントになりますが、あまりたくさんあると紙面がチラチラした印象になります。太字や白抜きも同様で、使いすぎるとゴロゴロしてきて逆効果。バランスのいいところを目指すわけですが、なかなかうまくはいきません。

 辞書はページ数の多い書物ですから、こういった基本的な組み方をあとで変更するのは、基本的には御法度です。本格的な組みに取りかかる前に、いろいろなパターンを想定して決めていくしかないのです。

 そういえば、編集者さんは、見本組を10回以上も取った、とおっしゃっていましたっけ……

 この四角数字の網掛けの度合いも、30%、50%、70%と3つぐらいは試してみたのかも、などと想像しながら、紙面を眺めてみるのでした。

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コメント

はじめまして。漢字のブログ「ボクちゃん日記」の者です。小さな編集事務所を営んでおります。漢検仲間では、円満字様の存在はトテモ大きく、皆さん、本の紹介などもされているようです。
こちらのブログには初めて投稿いたしました。これからも楽しみにおじゃまさせて戴きます。

投稿: ボクちゃん | 2013年12月17日 (火) 10時47分

ありがとうございます。同業でいらっしゃるのですね。あまり更新頻度の高くないブログなのですが、よろしくお願い申し上げます。

投稿: 円満字 二郎 | 2013年12月17日 (火) 13時05分

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