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2013年5月

2013年5月27日 (月)

遅ればせながら初挑戦!

 どこどこの書店で、ある書店員さんが手作りのポップを作って陳列したら、ある本の売り上げが急激に伸びて、ベストセラーになったらしいよ……。

 そんな話が出版業界でささやかれるようになったのは、21世紀に入ったころだったのではないかと思います。それは、新聞や雑誌といった、いわゆる「メディア」での広告展開にばかり目が奪われがちだったこの業界で、書店という「場」の重要性を再認識させてくれる事件でした。

 全国の書店員さんが、積極的にポップを作って「売りたい本」を宣伝してくださるようになったのは、そのころからです。そこに出版社サイドも参入して、現在では、書店の店頭はポップの花盛りといった状態になっています。

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 中には、初版が3000部とか4000部とかいう、一般の人々から見ると「専門書」と言われてしまうような商品についても、編集担当者がポップを手作りしている、といったお話もあります。また、著者の直筆ポップを見かけることだってあります。

 そこでぼくも、先週発売の『部首ときあかし辞典』では、ポップを手作りしてみました。本当は何十枚、何百枚も手書きして、全国の書店にお送りしたかったくらいなのですが、さすがにそうも参りません。6種類だけ作って、あとは版元の研究社さんの方で、適宜、カラーコピーしていただくことにしました。

 1種類ごとに、ああでもないこうでもないと考えながら、手作りしました。字にもレイアウトにも色使いにもまったく自信はありませんが、もし、書店で見かけたら、お読みになってみてください。そうして、拙著に少しでもご興味を持っていただければ、うれしい限りです。

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2013年5月25日 (土)

彼らの気持ちがわかるかも?

 幕末の志士や明治の政治家たちは、漢詩をよく作った。それは、漢詩作りには、規則に従って漢字をあてはめていくという、ジグソーパズルにも似た「頭の体操」という側面があるからだ……。

 いつだったか、そんな話をどこかで読んだ記憶があります。たしかに、漢詩の入門書を見ると、平仄だの押韻だのといった細かい規則が、いろいろと載っています。そんなに規則があるならば、なるほど、漢詩を作るのにはパズルを解くようなところがあるのかもしれません。

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 とはいえ、漢詩を作ったことがないぼくにしてみると、その「頭の体操」的な感覚が具体的にはどのようなものなのかは、皆目、見当がつきません。だから、幕末の志士や明治の政治家たちが漢詩を作るときの気分も、いまひとつ、具体的なイメージをもって想像することができなかったのです。

 ただ、今回、洋泉社MOOK『入門 漢詩の世界』のお手伝いをさせていただいたことで、ちょっとだけ、そのとっかかりがつかめました。本書の第三部では、七言絶句の作り方を、新潟県漢詩連盟会長の佐藤海山先生にご執筆いただきました。

 漢詩の世界には、先人たちが使ってきた「詩語」と呼ばれることばをまとめた本があります。その中から、まずは、自分の気持ちに合ったものを選ぶ。そして、それを起点にして、漢詩の規則に合うことばを順々に選んで、漢詩全体を埋めていく。その過程が、親しみやすい語り口で、懇切丁寧に説明されています。

 これなら、ぼくでも漢詩が作れるかも!?

 いつの日か、七言絶句をひねりながら、高杉晋作や榎本武揚を気取ってみたいものです。

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2013年5月22日 (水)

思い切って絞ってみました!

 読者層を広げたい!

 それは、出版に携わる者であればだれしもが抱く願いです。できるだけ多くの人に興味を持ってもらえれば、それだけ販路も広がります。売れ行きももちろん大事ですが、それ以上に、その本のよさを多くの人に感じてもらえるのは、本を世に送り出す側にとっては、大きな喜びです。

 ただ、読者層を広げるということは、読者層が拡散することでもあります。多くの人に興味を持ってもらいたいとするあまり、焦点のぼやけた、だれからも興味を持たれにくい企画になってしまう、ということはよくある話です。

 そこで、時には、思い切って読者対象を絞り込むことも必要になります。

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 新刊の拙著『部首ときあかし辞典』が、本日から全国の書店で発売となります。今回は、テーマを「部首」に絞り込んでみました。「漢字好き」はたくさんいらっしゃいますが、その中で「部首」に興味をお持ちで、辞書を買ってでも詳しく知りたい、と思っていらっしゃる方は、どれくらいいらっしゃるのでしょうか?

 とても不安なのですが、そのぶん、焦点のはっきりした本だという自信はあります。「部首」にちょっとでも興味がある方にとっては、きっとご満足いただけるであろう、ある意味ディープな世界が展開されております。

 研究社さんのご努力で、本体価格2000円というお安さ! ぜひ、書店で手にとってご覧いただいて、気軽にレジまで足をお運びください。

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2013年5月19日 (日)

頭隠せず、尻も隠せず

 わが家に出入りしているフリーランスの猫くんは、食事をしに玄関までは入ってきますが、ドアを閉めようとすると怖がって出て行ってしまいます。そこで、ドアストップを使って細く開けっ放しにしておくのですが、これからの季節、このままでは虫が入ってくるのが心配です。

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 そこで、近くのホームセンターに行って、玄関用の網戸を買ってきました。網戸といっても、実際のところはカーテンのようなもの。つっかえ棒からぶら下げて、マジックテープで両脇を留めます。お値段はたったの1980円。本格的な玄関網戸を付けるとなるとお値段も張るので、例によってケチったというわけです。

 ところが! いざ、取り付けようとしてみると、こともあろうか高さが足りない!

 商品の袋には205センチまで対応、と書いてあったので、深く考えもせず「大丈夫だろう」と思い込んだのがウカツでした。小さいけれど落ち着くわが家。その玄関のトビラが、こんなにも立派なものだったとは。

 とは申しましても、せっかく買ってきたのだからもったいない。というわけで、とにかく取り付けてみました。下の方が空いているのは、猫くんが通り抜けるには好都合。上の方の空きには、この際、目をつぶることにいたしましょう。これでも、何にもないよりはマシなはずです。

 猫くん用品が少しずつ増えていくわが家の玄関。はてさて、次は何が登場するやら。

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2013年5月11日 (土)

会員番号39

 ぼくは極端な味オンチで、自分の舌にはまったく信頼を置いていません。それでも、「おいしい!」と感じるものはもちろんあって、その1つが、亀田製菓の「柿の種」。眠る前に、ぼーっとテレビを見ながら食べていると、口の中から直接、鼓膜を震わせるカリカリとした響きに、この世に生まれた幸せを感じます。

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 その小袋に印刷されている「けなげ組」というコラム(?)を読むのは、「柿の種」愛好者共通のたのしみでありましょう。ぼくのお気に入りは、もちろん、会員番号39の「雑」。どうでもいいものを指しているようで、実は世の中を支える根性にあふれているという、まさにけなげな漢字です。

 「けなげ組」の会員番号は100番まであるのですが、漢字を扱ったものとしてはもう1つ、会員番号69の「凸凹」があります。きっと厳しく選抜されたであろう100の会員の中に、2つも漢字を入れてくださるとは!

 亀田製菓は、新潟の会社。新潟といえば、『大漢和辞典』の諸橋轍次先生をはじめ、昭和を代表する漢詩人として知る人ぞ知る鈴木虎雄や、道教研究で名高い小柳司気太など、数々の漢学者を輩出してきたお土地柄。その遺風が、「けなげ組」にまで残っているのかもしれない、などと空想してみたりもするのです。

 ちなみに、「けなげ組」の会員番号1は「柿の種」。そして、会員番号100は「あなた自身」。なんとも心憎いラインナップです。

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2013年5月 3日 (金)

もう忘れたらあかんで!

 父が住んでいる介護マンションに向かう道筋に、りっぱな門構えのちょっとよさげなお宅があります。古めかしい石の表札に出ているお名前は「螺良」の2文字。

 なんて読むのだろう、「螺旋(らせん)階段」の「螺」だけど「らら」じゃ名前にならないしなあ。「田螺(たにし)」という使い方もあるけれど、「にしら」さんでもなさそう。そういえば、漢詩では湖の上の小島のことを「盤上の青螺」なんていう表現もあったなあ。

 などと、いろいろなことが頭をよぎりますが、読めない漢字というものは、頭をひっねたって読めるわけではありません。東京に帰ったら調べてみなくちゃ……。

 そう思いつつも、それっきり忘れてしまうことが何度か。あるとき、仕事をしている最中に突然、思い出して調べてみて、「なるほど、こう読むのか!」とナットクしたものの、その次にそのお宅の前を通りかかったときには、あれっ、なんて読むんだっけ、調べたはずなのに……。

 そんなことのくり返し。まったく、情けなくなります。

 ところが、昨日は、阪急電車の駅を降りたところで、ピカリとひらめいて、その読み方のことを思い出しました。苦節半年、ようやく頭に入ったか! とにやにやしながら改札を抜けて、螺良さんのお宅への方へ。例のりっぱな門構えの前まで来てみると、銀色に輝く真新しいプレートが目に飛び込んできました。

 なんと、表札が付け替えられているではないですか! そして、そこには次のように書かれていました。

   螺  良
   Tsubura

 もう忘れたらあかんで! 見知らぬご主人から、そう言われているような気がしたのでした。

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