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2012年12月 2日 (日)

美しさは体の中へ

 先日、電車の中でぼんやりしてたら、偶然、目に入ってきたのが『モデル市川紗椰の毒だし「美腸」スムージー』という、集英社さんの本の広告。

 ある雑誌に書いたことがあるのですが、近年、「美○」ということばが増えてきているように思います。「美顔」はもちろん、「美脚」「美肌」「美眉」「美髪」などなど。「美尻」ということばもあれば、それらをひっくるめて「美体」と書いてあるのを見かけたこともあります。

 こういったことばでの「美」という漢字は、単に「美しい」という意味ではなく、「美しくする」という意味でも使われる傾向があるように思います。これは、漢字の意味が微妙に変化しつつある例なのかもしれません。

 もっとも、「美顔」ということばは、ずいぶん古くからあります。米川明彦編著『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』(三省堂、2002)によれば、1906(明治39)年に東京で「理容館」という美容室を開業した、日本美容界の先駆者、遠藤波津子(1862〜1933)が使い出した、当時の流行語だとのこと。変化のタネそのものは、1世紀も前にまかれていた、というわけです。

 さてさて、そこへ来ての「美腸」の登場。そういえば、以前、テレビのクイズ番組で、伊東四朗さんが「美脳」と叫んでいましたっけ。とはいっても、「美」と「腸」の組み合わせは、なかなか大胆でありましょう。

 ついでながら、家に帰ってインターネットで「美腸」を検索していたら、たまたま引っかかったのが「便活」ということば。以前「○活語のゆくえ」という記事を書いたことがありましたが、漢字は漢字なりに、時代を映しながら新たな使われ方を編み出しているようです。

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