« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »

2012年10月

2012年10月27日 (土)

リンゴの季節がやってきた!

Photo

 秋も深まって、リンゴがスーパーの店頭を飾るようになりました。そこで、今シーズン、初めて買ってきたのが、赤と白の2つのリンゴ。店頭でしっかり見たはずなのに、帰宅したら早くも不確かになってしまったのですが、赤い方は「秋映」で、白い方は「トキ」だったと思います。

 かくも速やかに記憶がかすんでしまったのは、もちろん、年のせいでもありましょう。ただ、お店で選んでいたときに、銘柄よりも気になったことがあったからでもあるのです。

 そのスーパーでは、リンゴの値札のところに、銘柄と値段だけではなく、ちょっとした説明文が付けてありました。それぞれ、どんな特徴があるリンゴなのか。味覚にあまりこだわりがないぼくにも、ちょっとした参考にはなります。

 その中に、「甘酸適和」ということばが書いてありました。「カンサンテキワ」と読むのでしょう。初めて目にすることばだったのですが、漢字を見れば、「甘さと酸っぱさが適度にバランスがとれている」ということだとわかります。こういう表現は、漢字のおはこですね。

 それにしても「適和」とは、見慣れない熟語です。国語辞典にも漢和辞典にも、出てこないのではないでしょうか。ということは、「甘酸適和」は、自然に生まれたのではなく、意図的に創り出された四字熟語なのでしょう。

 調べてみると、リンゴの世界では、すくなくとも1990年代からは用いられていることばだのようです。だれが考えたのか、うまく作ったものです。ひょっとすると、「胃酸過多」で悩んでいたリンゴ農家の方が考えついたのだったりして……。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月21日 (日)

大きな大げさ、小さな大げさ

 漢詩や漢文は表現が大げさだ、とよく言われます。李白の「白髪三千丈」なんていうのはその典型で、3000丈とは約9.3km。たしかに、誇張にもほどがあります。

 でも、大げさな表現を好むのは、漢詩文には限りません。日本の古典によく出てくる「涙で袖を絞りにけり」なんていうのも、冷静に考えれば「そんなバカな!」というところでしょう。文学というものは、誇張表現を内蔵しているもののようです。

 誇張というと、実際よりも大きく見せることのように思いますが、その逆もあります。たとえば、陶淵明は『帰去来の辞』の中で、地方官を辞めて自宅に戻ったときの心地よさを、次のように歌っています。

 「南窓なんそうに倚りて以って寄傲きごう
  膝を容るるの安んじ易やすきを審つまびらかにす」

 南向きの窓に寄りかかってくつろぐと、狭い我が家の落ち着きやすさがつくづく実感される、というのです。

 ここで気になるのは、「膝を容るる」という表現。自宅が狭くて「膝がやっと収まるくらい」だというのですが、いくらなんでも、それは大げさ! こういう、小さい方への誇張表現も、文学の中には探せばいろいろあるのかもしれません。

Photo

 秋も深まって、だいぶん寒くなってきました。ぼくはここ数年、男らしくもなく冷え性に悩まされていて、机に向かってじっと仕事をしていると、足先が極度に冷たくなって、放っておくと体全体の調子が悪くなってしまいます。

 そこで、昨年から導入したのが、写真のクッション。ちょうど足先が入るようにできていて、中に使い捨てカイロを入れておけば、冷え性対策は万全です。おまけに、節電にも効果あり。大泉学園のゆめりあフェンテの中にある雑貨屋さんで偶然、見つけて、重宝しています。

 ちょうどつま先が入るくらいの心地よさ。そこから、陶淵明を思い出したという次第。つま先であれ膝であれ、「ぴったり感」というものは落ち着くための重要な要素なのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月16日 (火)

その勢いでどこへ行く?

Photo  1939(昭和14)年刊行、塩谷温『新字鑑』(弘道館)という漢和辞典を見ていて、ちょっとおもしろい四字熟語を見つけました。

 「惰気満満」。説明には「なまけきぶんがみちみちていること。すっかりだらけきっていること」とあります。

 「やる気満々」ということばは知っているし、ぼくだって使ったこともあります。が、こんなことばがあったのか? そう思って、確認の意味で電子辞書の『広辞苑』を調べてみると、「惰気」という項目に、用例として「—満満」とありました。辞書的には、さほど珍しいことばでもないようです。なるほど、勉強になりました。

 それにしても!

 「満々」とは、もちろん、いっぱいになること。ぼくにとっては「はち切れそうになる」くらいのイメージがあることばです。アクティブな、いやもっと、アグレッシブな意味合いを持っているのではないでしょうか。

 それが、「惰気=なまけ気分」と結びつくことがあろうとは!

 おだやかな秋の空を見上げていると、ついつい、ヤルキナシオ君になってしまって、今日は一日、ごろごろして過ごそうかなあ、などと考えてしまいがち。そんなぼくも、どうせやる気がないのなら、せめて「惰気満々」の勢いくらいは持つべきではないだろうか?

 でも、このアグレッシブさ、いったい何の役に立つんだろうなあ……

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 9日 (火)

ついつい訓読みで読みたくなる!

 フリーの猫くんに我が家の軒先を貸すようになってから、そろそろ1年になります。

 最初は食事と水を出すだけでしたが、あんまり寒そうなので、やがて段ボール箱で小屋を提供。地べたに直接だと冷たかろうというので、中に敷くタオルを何枚か。そのうち、近所のスーパーでネコ用の座布団みたいなものが売られているのを見かけ、早速、買ってきました。

 暖かくなるとそういったものは不要ですが、皮膚病にかかったので近所の獣医さんに相談して薬をもらい、ノミ取り用のブラシも手に入れました。だんだんとご近所さんにも気を遣うようになって、ネコ用トイレも購入。彼女も気が向いたときには、そこで用を足すようになりました。

Photo

 そんな具合で、だんだんと猫用品が増えてきました。そこで、猫用品の説明書などでよく見かけるようになったのが、「愛猫」ということばです。

 イヌならば「愛犬」と書いて「あいけん」と読む。「愛猫」はもちろん、そのネコ・バージョンですが、問題はこれをどう読むかです。辞書的には「あいびょう」と読むのですが、ついつい「あいねこ」と言ってしまう人も多いのではないでしょうか。

 「愛」を「あい」と読むのは音読み。二文字の熟語は、ふつうは二文字とも音読みで読みますから、「愛犬」の「犬」を音読みで「けん」と読むように、「愛猫」の「猫」だって音読みで読みたい。ただ、「猫」って音読みでどう読むんだっけ……?

 個人的には、「愛猫」を「あいねこ」と読んでも気になりません。むしろ、「あいびょう」より伝わりやすいのでいいんじゃないか、などと思ったりもします。

 それはともかく、漢字的には、「犬」の音読みはよく使われるのに、「猫」の音読みはほとんど使われないことに、興味を惹かれます。そこには、日本人にとってのイヌとネコの違いが、隠されているのかもしれないですよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年10月 5日 (金)

ホームページ開設のお知らせ

 今年の夏は、どうも安定しない夏でした。

 春に『漢字ときあかし辞典』を刊行して以来、いろいろなお仕事をいただいて、それはそれでとてもありがたいのですが、じっくりと腰をすえて取り組む仕事がない。お声をかけていただいて新著の企画案を提出しても、「受け取りました! おもしろそうですね!」というお返事はいただくのですが、その後はなぜだかナシのつぶて。そんなことがいくつか続きました。

 ジタバタしても始まらない。そう思いはするものの、落ち着いてもいられない。

 そんなわけで、残暑の中、これまで、企画として温めてはきたものの、さまざまな理由から「書物にするにはほど遠いなあ」というものをまとめて、ホームページを作成することにしました。途中、愛機MacBookが壊れて全データ消失という苦難があったものの、ようやく、なんとか公開できるレベルまで来たかなあ、と。

円満字二郎のHP
お仕事の切れっぱし

 ご興味のある方は、ちょっと覗いてみていただけましたら、幸いです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年9月 | トップページ | 2012年11月 »