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2012年9月21日 (金)

○活語のゆくえ

 先日、電車に乗っているときにふと目にして気になったのが、『AneCan』の吊り広告。アラフィフ入り秒読みの男性にはほとんど無関係(理解不能?)な内容ばかり並んでいるのですが、その中に、「Let's 菌活!」とありました。ここ数年、「○活」ということばが花盛りですが、それにしても「菌活」とは!

 ぼくが昔から知っている「○活」といえば、「学活(学級活動)」くらい。大学生だった1990年前後には、まだ「就活(就職活動)」ということばもなかったように思います。それが、「婚活」が登場した2008年あたりから、いろいろな新しい「○活語」が登場するようになりました。

 本来は「○○活動」の略語だったはずの○活語ですが、増えるにつれて、略語とは思えないものが目立つようになります。「妊活」は「妊娠活動」の略かもと思われますが、そもそも「妊娠活動」ということばが存在しているのかどうか。「終活」になると、これはもう略語ではなくて、「就活」をもじって作られた新語だと考えるのが妥当でしょう。「美活」や、以前、やはり吊り広告で見かけた「免活」なんてのも、略語ではないと思われます。

 この現象を漢和辞典的に考えると、ほかの漢字のあとにくっついて「○○を手に入れるために積極的に動き回る」ことを表す、というはたらきが、「活」という漢字に新たに付け加わった、と見ることができます。いずれ、漢和辞典の「活」のところにそんな説明が見られる時代が来るのかもしれません。

 ただ、もうちょっと突っ込んで考えると、「就活」「婚活」「妊活」「終活」などの「活」には、人生の重大な選択を深刻になりすぎないように捉える、というような響きがあるようにも感じます。それに対して、「美活」「免活」になると、そういう「重大性への対処法」みたいな雰囲気は薄くなっているのではないでしょうか。

 「菌活」とは、話題の塩麴をはじめとするいろいろな菌を摂取して健康になろう、ということのようです。吊り広告を眺めながら、重さの抜けた○活語はいったいどこまで行くのだろう、と思ったのでした。

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