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2012年7月 4日 (水)

本棚に収まらない!

 先日、会社勤めしていたとき以来の友人ととりとめもない電話をしていて、何かのはずみに言われたセリフ。

「トム・ゴドウィンの『冷たい方程式』を読んでないのか?」

 SF短編の名作として、その名はもちろん知っています。また、ギリギリの燃料しか積んでいない宇宙船で、美少女の密航者が発見される、という設定もどこかで読んだことがあります。でも、言われた通り、実際には読んだことがない。

Photo

 というわけで、早速、買い求めて読んでみました。伊藤典夫訳、ハヤカワ文庫、2011年。ただし、この版は、以前出ていた同名の本とは違って、収録短編を再編集したものとのことです。

 問題の宇宙船は、ある惑星に救援の医薬品を届けるところ。ただし、燃料はギリギリしかないので、重量がわずかでも増えれば、目的の惑星にたどりつくことはできなくなり、待っている人々の命が失われる。だから、密航者はただちに船外に放出しなくてはならない。それがたとえ、可憐な少女であっても……

 短編SFというのは、こういう基本設定をそのまま突き詰めていくことで「名作」たりうるジャンルなのですね。いやあ、なかなかに胸に迫る物語でした。

 ちなみに、同書はほかに8つの短編を収録したアンソロジーですが、ぼくのお気に入りは、最初と最後の2つ。巻頭のロバート・シェクリイ『徘徊許可証』も、基本設定をていねいに展開した作品。巻末のクリフォード・D・シマック『ハウ=2』も、基本のアイデアは1つ。でも、ある意味でばかげたこういう物語は、SFらしくて好きだなあ。

 それにしても、最近のハヤカワ文庫は天地(縦)のサイズが少しだけ長くなって、我が家の文庫用本棚には、まっすぐは入りません。困ったなあ!

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