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2012年5月15日 (火)

ゲキハクと読むのは間違いかな?

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 今朝の新聞に入ってきたチラシ。化粧品の宣伝なのですが、だれかがその良さを「激白」しているのかと思いきや、どうやらそうではないみたい。この「激白」、「とても白い!」という意味らしくて、そうであれば、「げきはく」ではなく「げきじろ」と読んでおくべきなのでしょう。

 「激」という漢字が、広告や雑誌の見出しなどでよく使われるようになったのは、雑誌『GORO』の1975年4月号で、篠山紀信さんが山口百恵さんの写真に「激写」と付けたのがきっかけだ、と言われています。なかなかの役者がそろった、新語の誕生であります。

 とはいえ、「ものすごい勢いで○○する」という意味で「激」を使う例としては、「激怒」「激賞」などの熟語もあります。それぞれ中国の古典でも古くから使われていることばなので、この「激」そのものは、それほどめずらしいわけではありません。「ものすごい勢いで告白する」という意味の「激白」も、その流れの1つだと理解できるでしょう。

 ところが、「とても○○である」という意味で「激」を使うのは、漢字の歴史の中では、比較的新しい用法なのではないかと思われます。1986年、「カラムーチョ」をきっかけにして起こった「激辛ブーム」などが、その走りなのでしょうか。当時、大学生だったぼくはこのスナック菓子を知らず、友人に「カラムーチョを知らないヤツは酒飲みではない!」などと言われたものでした。

 このタイプの「激」を使ったことばとしては、「激安」「激うま」「激かわ(←かわいい)」などが挙げられます。「激」のあとには音読みの漢字ではなく、訓読みのことばが続くことが多いようです。

 「とても白い」という意味で「激白」を「げきじろ」と読ませるのは、まさにこの例の1つ。そう考えて眺めると、なかなか奥深いチラシなのでありました。

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