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2012年4月12日 (木)

本屋大賞に階級制を?

 今年の本屋大賞が、三浦しをんさんの『舟を編む』に決まりました。この賞も最近はえらく大きなイベントになってきたようで、テレビのニュースでもしっかり取り上げられていました。受賞作は辞書編集者を描いた物語ということで、ぼくもおもしろく読みましたが、うれしはずかしというか、痛し痒しというか……。自分の働いている業界を舞台にした小説を読むと、だれしも、こんななんとも言えない感覚を持つのでしょうねえ。

 昨日の新聞広告によると、この本はすでに38万部突破とのこと。そんなにも多くの方々が、辞書作りの世界を覗いてくださっているというのは、ありがたい限り。そして、本屋大賞をきっかけにして、さらに多くの方々がこの世界に興味を持ってくださるわけですから、三浦しをんさんには大感謝です。

 ただ、あえて1つだけ申し上げるとすると、この賞の特色である本屋さんが「いちばん売りたい本」というのが、実際に「すでに売れている本」であるというのは、ちょっとおもしろみに欠けるかなあ、と。売りたいものが売れている、というのは、それはそれであるべき状態ではあるわけですが、下手をするとこの賞が現状の追認ということに終わってしまうことになりかねないような。本屋大賞がイベントとして大きくなればなるほど、そんな気もしてきます。

 現在の日本では、1年間にほんとうにたくさんの本が出版されるわけで、その中には、「もっと売れる可能性があるのに売れていない本」というものもあるんじゃないか。全国の本屋さんが、そういう本にも光を当ててくれると、編集者としてはうれしいし、業界全体にとっても、新たな需要の掘り起こしになるのではないかなあ。

 そのためには、本屋大賞も、柔道やボクシングみたいに階級制にしてみるとか。軽量級は初版3000部以下、中量級は3001部から7000部、重量級はそれ以上、なんてね。

 それとも、ここは編集者が立ち上がって、「自社本以外でもっと売れて欲しい本」を選ぶ賞でも設けるといいのかなあ……。

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