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2012年4月17日 (火)

春風にたなびく誤植?

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 安くておいしいので、ついついお世話になってしまう中華ファミレスのバーミヤン。春風に誘われて散歩をしていると、その店頭に写真のようなのぼりがひるがえっているのが目に入りました。「牛肉と春筍のマーラージャン炒め」という、いかにも香ばしいかおりが漂ってきそうな一品。ところが、よく見ると、ふつうは「麻辣醤」と書くところが、「辣」の代わりに「辡」となっています。

 「辛」を2つ並べて書くこの漢字は、漢和辞典的には「言い争う」という意味で、音読みだとベンと読みます。現代中国語の発音も、カタカナで書くとビエン。だから、「麻辡醤」はマーベンジャンとかマービエンジャンとかは読めても、マーラージャンとは読めません。

 これは大きな誤植だなあ!

 と思ったものの、よく考えてみると、「辣油」「辛辣」「辣腕」のように日常的にもときどき使われる「辣」を、一般にはまず見かけない「辡」と間違えるというのも、誤植のあり方としてはちょっと腑に落ちないところ。「マーラージャン」と入力して変換キーを押したら出てきた、とも思えない。しかも、バーミヤンのメニューにはほかにもマーラージャンを使ったお料理はあって、そちらではきちんと「辣」となっているところを見ると、単純な誤植だとはいえないような……。

 そういえば、最近、読んだ日経新聞の「ことばオンライン」では、近ごろは商標の漢字の中に、「米+麦」でラーメンとか、「布+包」でかばんといった、創作漢字が見受けられるとのこと。ひょっとするとこの「麻辡醤」も、「辛いんだぞっ!」ということを強調するためにあえて選ばれた、創作漢字の一種なのかもしれません。

 そもそも、「鞄」を「かばん」という意味で使うようになったのは、明治10年ごろ、かばん専門店、銀座タニザワの創業者、谷澤禎三(たにざわ・ていぞう)の発案によるものだとか。「麻辡醤」だって、とても辛いマーラージャンを表す熟語として、いつか定着していくのかもしれないなあ。

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