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2012年3月22日 (木)

違うけれどふさわしい!

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 図書館に本を返しに行く途中で、マンサクの花が咲いているのを見つけた。枯れ枝に黄色い糸くずがクシャクシャッとからまっただけのような、花と呼ぶのがちょっとためらわれるくらい、地味な花だ。

 マンサクの語源は、ほかの花よりも早く「まず咲く」からだ、という説を読んだことがある。ただ、漢字で書くと「満作」だという。「豊年満作」から取ったというのだが、いまひとつ、イメージが湧かないよなあ。

 漢字では「金縷梅」とも書くらしいが、中国語としての「金縷梅」は正確にはシナマンサクという樹木のことで、マンサクとは異なるらしい。金縷梅を当てるのは誤り、と言い切っている辞書もある。

 「縷」とは「糸」へんが付いている通り、細長いひもを表す漢字だ。音読みで読むとルで、「せつない恋心を縷々として訴える」のようにも使われる。だから、「金縷梅」とは、「金色のひものような、梅と同じころに咲く花」を指すのだろう。

 マンサクとシナマンサクは別もの、というのは、近代的な博物学の分類上でのお話。それはそれとして、ある樹木の名前を漢字でどう書き表すかには、別の観点があっても悪くはないだろう。

 「金縷梅」という漢字を思い浮かべながら、改めてマンサクの花に目を凝らすと、なんだか金モールの細工みたいに見えてきた。地味だなんてとんでもない! ゴージャスな雰囲気すら漂ってくる。

 マンサクの立場になってみれば、「満作」と書かれるよりも「金縷梅」と書かれる方がいい気分がするに違いない。

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